易の卦に、地山謙という卦があります。

常にへりくだって人と付き合えばものごとはうまくいく。しかし、ここでいう謙遜、へりくだりは卑屈ということではありません。

卑屈は、事故の欲や打算、コンプレックスの裏返しがとらせる態度です。

卑屈には心が正しくないところがある。真の謙遜は相手を認め、また自己も認めてもらおうという円滑な人間交流をするための基本的態度です。

マーフィー博士も、「謙遜は栄誉に先立つ」と言うバイブルの言葉を引き、「本当の謙遜は、まず何よりも心理を尊重する。常にそれを受け入れるのにやぶさかではない。その謙遜の報いは富であり、栄誉であり、より豊かな生活である」と言っています。

この卦のキーワードは柔和な人。

実際、柔和な人は幸福な人です。現代はストレスの時代であり、私たちはますます柔和な顔を失いつつあります。謙遜する前に自己主張をするのです。

それも正しい自己主張ならばいいのですが、人をやり込めてでも、押しのけてでも目立った方が得だという考え方が大勢をしめています。

賢明な人は、謙遜が栄誉に先立ち,柔和がいかに人を動かし、自分にとってプラスをもたらすのかを知っています。

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